ライターの安田さんが書いた記事がサイゾーのweb(
四面楚歌で壊滅寸前!? エロ本生き残りの条件)に挙げられている。身近な話題すぎて読み進めるのが苦痛だったが、今のエロ本業界の惨状をしっかりと伝え得る的確な文章だった。
僕はこの春で、エロ本の編集部に入って丸2年になる。たった2年か、とよく思う。それほどまでに今のエロ業界はめまぐるしく基準や規格や旬が移り変わり、その度に状況は下降線を辿る一途だ。「出版不況」とか「エロ本離れ」なんていう言葉は大学に上がった頃から良く耳にしていたが、2年前の編集部はそれでもまだ活気があった。少なくとも当時の僕には、そう感じた。
しかしこの2年で、経費は1/3以下になり、編集者は半分になり、それでも出版点数はほぼ横ばい。外部の素材に頼りきり、最少経費で出版点数を維持していれば、どの本も内容はほとんど一緒になるのは当然のこと。差別化もクオリティーもなく、ただその場しのぎの本しか出せないのが現状。
「有りものを活用するのが得意な人」(=少ない経費で本を作れる人)ばかり社内で優遇され、撮影や取材のノウハウを持つ社員が次々と辞めて行くことにより、それらを若手に伝達する機会もないので「取材・撮影の出来ない若手」ばかりが育つことになる。
「エロ本はなくならない」
「もう一度エロ本出版社が復活する時期が来るかもしれない」
そう話すエライヒトがいる。
確かに、来るかもしれない。だが確率はとても低い。
誰もが気軽にネットに接続でき、無修正版の映像を好きなだけ、ほぼ無償で鑑賞出来る時代に、誰が好き好んでコンビニのエロ本を読むだろうか。わざわざ脚を運び、店員にエロ本を渡し、そして濃〜い(コンビニ本は規制が厳しく、AV慣れした人が見たら驚愕するほどにモザイクが濃く、範囲も著しく広く取られる)モザイクを見るというのか。
僕はあと10年もすれば、エロ本はなくなっていてもおかしくないと思っている。恐らく、高確率でエロ本はなくなっているか、特定書店だけが販売出来る特殊な商品となっているはずだ。
だけれど、エロ本の衰退があっても、エロの衰退はあり得ない。それは食欲と睡眠欲に並ぶ、人間が抗えない本能なんだから。
来るべきエロ本終焉の時までに、なにを始め、なにを蓄え、なにを守るべきか。現状をなにで凌ぐべきか。
自分の保身や安泰などではなく、それぞれの会社の存続というレベルでそれらのことを考えない限り、アダルト系出版社の未来は間違いなく、無い。